私は医師として今年17年目を迎えます。研修医として病院に寝泊まりをし、心臓外科医として助けられない命の前で絶望し、 さらには今でも在宅医療で眠れない日々を過ごしています。医師として生きることは、決して平坦な道ではありませんでした。
しかし今回の新型コロナウイルスによる衝撃は、このどれとも全く別次元のものであり、現在日本も医療崩壊の危機に瀕しております。 私たちが学んできた医学、そして患者様たちから教えて頂いた医療の常識が、現時点では残念ながら通用しません。
私たちが開発した医療相談アプリ「LEBER:リーバー」は、ドイツ語の「LEBEN:命」を語源にもち、 命を守るためのアプリケーションとして2018年1月に誕生しました。このサービスは遠隔医療ながら、「人と人とを信頼感で結びつける」ことを ミッションとしており、患者様の病を癒すのみならず、医師の皆様の過重労働の軽減にも寄与するものです。
遠隔医療は万能ではなく、医師の皆様の「てあて=対面診療」に優るものでは決してありません。 しかし本当に重傷・重篤な患者様に充分な医療を届けるため、本アプリでは健常者・軽症者に対してはセルフケア・セルフメディケーションをサポートします。 今まさに苦しんでいる患者様にこのアプリを用いて不安を軽減してもらいたい、症状を少しでも緩和してもらいたいと強く願っております。
今回のコロナ禍を受けて、茨城県からの依頼で9月末まで医療相談サービスの無料提供を行ないました。私たちはつくば市に存在する小さな会社ではありますが、 愛する茨城県からの依頼を光栄に想い、体力・資金が続く限り今後も全国の自治体からの依頼に応えていきます。
最後になりましたが、今も現場で寝ずに必死な想いで戦っている医師を始めとした医療従事者の仲間たち、さらにはこの医療相談アプリ 「LEBER:リーバー」の可能性・価値を見出してくれ、後押しをしてくれる行政、企業、医療機関、そして登録医師の皆様に限りない敬意を表します。
医師
斎藤環弁護士
シティユーワ法律事務所